恋*クル
目を凝らして、じっくりと見ると……
どこかで見たことのある男の子……。
「あっ!!」
思い出したあたしはシューズのまま、渡り廊下からプールの方へと走り出した。
「信一くんっ!?」
「うわぁっ!」
そう。
武人の後輩の、信一くんだ。
いきなり声をかけられた信一くんは、大きな声を上げて飛び上がった。
そして胸元を押さえ、呼吸を乱しながら「びっくりしたぁ」と呟く。
「何してんの、こんなところで」
「……えぇと、あなたは……」