戦国サイダー
しかもこの状況、圧倒的に私が不利!!



「あ、いや、うぅ、えっと、おっ……」



何をあいうえお順に呻いているんだ。



「ごっ、ごめんな――え……?」



とにかく謝るべし! の私に降りかかってきたのは、怒号でもなく、反撃でもなく。



優しい、てのひらだった。


その大きく無骨な手が、そっと頬に触れて、ゆっくりと顎へと移動する。


顔を見れば、まだ怒ったまま。


でも眉根が寄りつつも、双眸は私の目を見ていた。



「つ、つぐと……」


「あと暫く、このままでいさせてくれ」



予想外の展開に戸惑う私に、更に混乱を招く言葉。


嫌とかそういうのじゃなくて。



ただ、慣れない。


 
< 102 / 495 >

この作品をシェア

pagetop