戦国サイダー
こっちを未だ見ない鬼虎の瞼が下がり、ゆっくり息を吐いたのがわかった。



「刺客でも来たかと思ったのだ。申し訳ない、危なく怪我をさせてしまうところだった」


「刺客……?」



ゆっくりと発せられた言葉に、記憶が蘇る。


そういえば初めて神社で会ったときも日本刀つきつけられたんだっけ。



でも。



あのときも確かに怖かったけど、さっきのはその度合いが違った。


神社のときは「上手に出てる」といった感じ、でも、さっきは確実に「息の根を止める」といった感じ。



尤も、武道とかには縁遠い女子高生の思うところだから、違うのかもしれないけれど。


同じ寝起きなのに、違うんだとしたら……何故?



「思李?」



考え込んでいたのが不思議だったのか、気づけば鬼虎の顔がこちらを向いていた。


 
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