戦国サイダー
「思李」


「大丈夫だって! それより貴方の方こそ様子が変です! ほんっと鬼虎らしくない……」



……ん、しまった。


ついうっかりぽろっと『鬼虎』って呼んじゃった!



「……その名、何故」



逸らしていた視線をそろーっと戻すと、眉がぐぐっと寄っております。


さっきからころころ変わる鬼虎さんのオーラですが、現在一体どういう心境なのか読みにくいです。



「何故って……その……」



えーと、なんて言えばいいのかな?


馬鹿正直に「そう思いました」とか言うべき?



「いや、なんというか……」


「その名は初陣の後に儂に付けられた異名だ」



続けられた声は思いの外冷静なものだった。


 
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