戦国サイダー
「だが反撃はしておらん……相手がお前だったからな」



向かい合っていた鬼虎が言いながらそっぽを向く。



……これって照れてる? 不機嫌そうな顔して。



「何を笑っている」


「へっ!?」



そっぽを向いたままの鬼虎が溜め息混じりに言ってくる。


慌てて笑みを引っ込めるものの、ちょっぴり可愛くって仕方がない。



だって、なんだか。



ようやく『人間らしさ』が見れたっていうか。



『弱さ』はほんの少し見たけど、そういうのじゃない『人間っぽさ』


ああ、同じなんだなって、私とか兄と変わらないんだなって。



ま、だからといって今までの数々の傍若無人振りは忘れませんけど!


 
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