戦国サイダー
「思李」



ちょっとばっかし嬉しさを感じていたら、こっちを向いていた鬼虎さんの顔が私を見下している。


……色気のある鬼迫。



「いい加減その浮ついた顔を収めねば、強硬手段に出るぞ」


「っ……! すいません! ちっとも浮ついてなんかいませんっ!!」



距離があるにも関わらず感じる圧迫感。


その強硬手段とやらが何かはわからないけれど、私の危険センサーは充分振り切れそう。


とりあえず彼の手の中に日本刀がなかっただけ一安心。



持ってたら、間違い無く今目の前に綺麗な直刃が披露されてただろうし。



「ふん」



……何が言いたいんですか。


ああ、やだやだ、ちょっと可愛いところがあるかと思ったらやっぱり鬼虎ですよ。


そうやって人のこと見下して偉そうに……戦国時代でも俺様って流行りなんですか?


 
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