戦国サイダー
一瞬四人の周り全ての人が固まっていた、ように見えた。


それもフロアにお尻をついたおねーさんが何かを言ったみたいで、一気に時間が戻る。



いやいやいや! 何笑ってんのあの馬鹿兄貴は!


いくらなんでもやり過ぎでしょう、鬼虎ならやりかねないけど、そういう場合じゃないって!



なんとかせねば、といらない正義感に燃えてしまった私は立ち上がり、小走りで四人の元へ駆け寄る。


近づくにつれ、鬼虎の冷酷な表情がはっきりと見え、同時に女の人が喚いている言葉が聞こえてきた。



「ちょっ、何してんのよ、この鬼虎っ! 馬鹿兄貴っ!」



ようやく手の届く距離に来て、とりあえず兄を思いっきり小突く。


兄の「え、なんで俺?」という間抜けな声が聞こえたけど、無視無視。


そのまま流れるようにおねーさんがた二人に向き直り、すみませんと謝罪を……


 
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