戦国サイダー
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子どものときって体力あったな……



それが感想、正確には私も未成年、イコール子どもなわけだけれども。



獣道は予想以上に険しかった。


雨で土は柔らかくなり、ところどころ浮き出ている木の根は滑る。


昔はもっと簡単に進めたと思うのに、四苦八苦しながら私は歩き続けている。



「わっ!」



そんな中、ほとんど役に立たない傘に気を取られたせいで足を滑らしてしまう。


転びはしなかったけど、サンダルは脱げてしまい、もはやボロボロ。



いいんだけど、安物だし。



「もう裸足でいい!」



こうまでして、何でこの険しい道を進むのだろう。


自分に呆れながらも、残っていたサンダルもその場に放り出し、久しぶりに裸足で土の上を歩いた。


 
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