戦国サイダー
ぬるぬるしてて、冷たくて。


久しぶりの感触は、どこか気持ちがいい。



木の根を慎重に踏みつけ、足の指で大地をしっかり掴み。



突如開けた目の前には――



記憶の中に眠っていた、巨大な老木が鎮座していた。



そして、その木陰に入って小さな岩に入っている鬼虎の姿。



「……いた」



自分でも驚き、まさか本当にいるとは。


どうしてここを知ってるんだろう、小さい頃歩いた私でも忘れていたのに。



それにしても。



いざ目の前にすると、どうしたらいいかわからない。



距離はまだ十メートル程ある、木陰で鬼虎は腕を組み、あぐらをかいて目を閉じている。


もし寝てるんだったら……昨日のようなことになるんだろうか。


 
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