戦国サイダー
「わかってるって! ……あ、いやわかってます」



ついイラッとして、声を荒げてしまったものの、眼光鋭いお顔を向けられて一気に萎む。


だってほんっとに怖いし、この人の凄みは、心臓弱い人なら死ぬんじゃなかろうか。



鬼虎はそんな私を見て、そっぽを向いてしまった。


それにまたちょっとピキッと来たけど、そういえば私は何って謝りに来たんだった、と自分をなだめ、その場にしゃがむ。



大人になれ、私、ここは我慢だ!



「……ごめんなさい」



深呼吸をひとつしてから、口にする。


精一杯、謝罪の意を込めて、だって私大人だし?



って、いやいや、私ちゃんと反省してますから。



「つい感情的になって……その……言い過ぎました。ごめんなさい」



しゃがんだ状態だけど、頭を下げたら、ちょうどてっぺんに木の間からか滴がぽたりと落ちてきた。


 
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