戦国サイダー
「座って待ってろ」



そう言われて、確認した場所は縁側。


ここに座っておけ? ってこと?



背中から下ろされて、言われた通りに縁側に座っておく。


鬼虎はすぐにどこかへ消えて、そして水の流れる音が聞こえてきた。



もしかして、水持ってきてくれるの?



案の定、すぐ現れた鬼虎の手にはバケツ、その中には柄杓が入っている。


いつバケツの使い道を知ったんだっけ、と考えてみれば昨日私がそれを使って打水をした記憶がある、そのとき見てたのかも。



黙って目の前に置かれたバケツには水が七分目ぐらい入っている。



「あ、ありがと……って、いい、いい! それは自分でやるから!」



私が手にするより早く、鬼虎が柄杓を手にしたのだから大慌て。


脚を洗われるだなんて、恥ずかしくてたまったもんじゃない。


 
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