戦国サイダー
きっとその記憶が蘇ったんでしょう?





聞いちゃってごめんね、そう言おうと思った矢先、鬼虎が私に悲しそうな瞳を見せた。



「企てたのは兄上の母親だった」


「……え?」



お兄さんのお母さん?


そう言うってことは、鬼虎のお母さんではなくて……



「先日申しただろう。兄上は昔から身体も小さく気も弱かった。それに対し儂は兄上より身体も大きく、剣術や槍術も得意でな」



異母兄弟も、当時では珍しいことではないだろうけれど。


でもあまりにも。



「嫡男である兄上は頼りないと、周りの者は口々に言っておった。母親が、儂を嫌っても仕方がない」



あまりにも悲しい。


 
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