戦国サイダー
なんか、気が抜けてしまった。


 
別にしたいことがあったわけじゃない、寧ろ暇だった。


我が家にいる居候も、届けに来るぐらいなら、目を覚まさないだろう。


覚めたら、面倒なことになりそうだけど、昼間のことがあるし。



『……いや、でも』


「その代わり玄関じゃなくて縁側回って。そこから受け取る。でも家には上げない。それでいい?」



まあ悪っぽく見えても悪い人ではないし、無理をする人でもない。


未練有り余ってるとは言ってたけど、私にはその気がないのもわかってるらしいし。



ていうかですよ。



もう鬼虎上げてる私が、今更どうこう言える立場?


それにいざとなったら奴だって助けてくれるでしょ。



『……わかった。じゃあ十五分ぐらいで着く。すぐ帰る』


「うん。じゃあ気をつけて」


 
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