戦国サイダー
「あ、あのね、鬼虎」


「思李、お前も黙ってろ」



私まで!?


いや、何!? 一体何する気ですか貴方!?


ちょ、目の前で血祭りとかはやめてよ!?


いやいや、違うぞ、私、その前にこの状況を止めるべきでしょ!?


 
「貴様、勝手に何をする気だ」



勝手に何かしそうなのは貴方ですから!


あの妙に心配な気持ちになったのは、これを予想してか!



「ちょっと待って、彼はただ」


「黙ってろ、と言った筈だ」



問答無用、聞く耳持たず。


だからって諦めるわけにもいかないでしょ、これは。



「西瓜持ってきてくれただけだから」



めげずに言ってみると、鬼虎の片眉がぴくりと動く。


でも、ほら、と縁側の西瓜を見せると「ふん」と鼻で笑っただけだった。


 
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