戦国サイダー
「騒ぐな、彼奴(あやつ)はまだ寝ておる」



口元を押さえられたままなので、了承の意を込め頭を縦に精一杯振る。


それがきちんと伝わったようで、その手はあっさり離れてくれた。



あー……びっくりした、何もドアの目の前に立っていなくても。



「気分は?」


「ん、平気」



まあ一応心配して来てくれたんだろうと思っておく。



「……物音が下から見にきただけだ」



……撤回しておく。



戦国武将って心眼でも持ってるんだろうか、そんな訓練でもあるの?


いや、それはないとしても、私ってそんなに顔に出やすい? こんな些細なことですら?



なんて思ってたら鬼虎に溜め息で応えられてしまった、イヤな奴。


さっき夢ではあんな……



あんな? 夢ってなんだっけ?


 
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