戦国サイダー
ほんと、便利な世の中だ、私が言うのも可笑しいけれど。


お茶漬け二つ、お箸を二膳、お盆の上に乗せて持ち上げようとすると、横から腕が伸びてきて、代わりに持ってくれた。



もしかして、この為に待っててくれたのかな。


私ってそんなにか弱そう?



「食うぞ」



今回の心の疑問には鬼虎は小馬鹿にした眼差しを向けてくれ、さっさと茶の間へと行ってしまう。


わかっちゃいるけど、やっぱりヤな奴。



案の定お茶漬けも無言のままかき込んで。


でも私はゆっくり食べてたから、猫舌なもんで、しばし無言の時間が流れていた。



「ごちそうさまでした」



食べ終えて、一拍。



「お茶淹れるね」



さっさと片付けて、まだあんまり痛くない今のうちに薬を飲んでしまおうと鬼虎の汁椀に手を伸ばす。


 
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