戦国サイダー
「……何で、そんなこと聞くの?」



ようやく出た言葉は疑問系。


質問返しなんて、あんまりいいことじゃないだろうに。





私には答えがわからないから。



 
「……彼奴の手は、嫌がったように見えたからな。聞いてみただけだ」



――うそ。



なんで。





なんでわかったの――?



立ち尽くす私に、鬼虎は「散歩に行ってくる」とだけ言い残して、茶の間から消えて行ってしまった。


でも、私は動けない。



確かにあのとき、触れられそうになるのを「イヤだ」と思った。


なんでかはわからないけど、そう心が思って、頭が理解して、身体はそれを実行した。



だけど。


 
< 237 / 495 >

この作品をシェア

pagetop