戦国サイダー
「ええ、何も変わらず」


『……ふーん。虎は?』



今の間は何だ、と思いつつ聞かれたので虎の姿を見る。


携帯電話の着信音に起きることなく、腕を枕に眠っている。



「虎も元気、今昼寝してる」


『……ふーん』



だからその間は何? しかも二回目のはなんか声のトーン上がってるんですけど?



『あ、で今夜帰るから』


「うん、わかった」


『何その反応。もう少し焦ったりしないの?』



いや、何故に。



「焦って欲しいの?」


『んー、ちょっとは』



意味がわかんない、いや、元々あの兄は意味がわからないけれど。



『ま、いいや。じゃああと一時間ぐらいで着くから』



それだけ言うと、兄は「じゃあねー」と呑気に電話を切った。


 
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