戦国サイダー
「なひを選んでも、おへはおまへの側にいふ」


「うわっ、なんか全然かっこよくない!」


「じゃ、はなへよ」


「お兄ちゃんが離してくれたら」


「……おことはりだ!」


「だからかっこ悪いって、この酔っぱらい」


「……はすれてた」


「……はい?」


 
はすれてた……忘れてた?


って酔ってることを?



慌てて鼻を解放してあげると、兄の顔色が一気に悪くなってゆく。


まさか本気で自分が酷く酔ってたのを忘れてたわけじゃないでしょうね。



てかその手を放しなさいっ!



「あ、あと最後にひとつ兄から助言を……」



私の顔をつねったまま、再びあやふやになりだした声で言う。


 
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