戦国サイダー
「言わなきゃ何にもわかんないの。一緒にいてさ、なんかいい雰囲気かもって思って告白したって、何とも思われてないことだってあるし、その逆もあるし。あんたは行動する前から色々考え過ぎなんだよ」



なんだか正当過ぎて反論が出来ない。


でも頭では理解出来たって、なかなか頑張れるものでもないと思う。



「思李さ、何も初めての彼氏ってわけじゃないでしょ?」


「え? あ、うん、そうだけど」



アイスモカを啜ってから、夏梅ねぇがちょっとだけ眉を寄せる。



「だからこうやってはっきり言うけどね。なーんにもしないで、なーんの関係も持たないより、好きですってがっついて、一回でもセックス出来た方が幸せだと思わない?」


「……え、あ、うん?」


「あ、勿論これは個人的な意見よ? 人によってはそんなの嫌っていう人、いっぱいいると思うし」



まあ確かに、ちょっと極端な意見だとは思う。



「でもね私だったら、うじうじしてる間にいなくなって泣くより、真っ向から勝負して、短い間でも愛し合ってられる方が幸せだけどな」



「ま、人それぞれだけどね」と付け加えながら、何も言ってない私のガトーショコラをまた食べる。


もう半分ないんですけど、夏梅ねぇ、一口がでかすぎ。


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