戦国サイダー
夏梅ねぇが言った「うじうじしてる間にいなくなって泣くより、真っ向勝負して短い間だけでも愛し合ってられる方がいい」って。


それが本当にそうかはまだ知らない。



でも恋人と上手くいきだした夏梅ねぇの話を聞いてるうちに、ちょっとだけそれもありかもしれないと思えた。



『人生、いつ終わるかわからない』


楽天家の父は、いつもそう言いながら気ままに生きている。



現状維持で良かった筈。


今のままが続くなら、それで幸せだった。





変えたのは誰?



「よく考えて後悔のないように」って言ったお兄ちゃん?



「大丈夫よ」って微笑みながら励ましてくれた夏梅ねぇ?



ううん、違う。



それはきっかけのひとつであって、決定打ではない。



お兄ちゃんに言われた通り、決めるのは私の気持ち。



正直自信なんて皆無、寧ろ嫌われてたら、それがきっかけで険悪になったらどうしようって怖さがある。


 
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