戦国サイダー
「あのさ、虎……お金は?」



こう言っちゃ悪いけど、正直なところ虎は我が家の居候だ。


たったひとり増えたところで生活費に大した支障はないし、幸い父が宝くじなんぞ当てたものだからちょっと何か買い足せるぐらいの余裕はある。



だから虎のものを買いに行くときはたぶん兄がそこから出してたと思うんだけど……



じゃあこの浴衣って誰が買ったの?



「…………稼いだ」


「はい!?」



今の妙な間と逸らした視線が気になりますが、一体全体どうやってお金を稼いだのさ!?


しかもこの浴衣って安くないでしょ?


たぶんだけど三、四万はしそうだし、よく見たら紙袋の中に合わせてオレンジ色の兵児帯が入ってるじゃない。



稼ぐ期間なんてこの三日……それで浴衣と帯が買えるって何したのさ!?


夜のお仕事……は向いてそうにないから、どっちかというとヤのつく危ない人たちと関わったお仕事してそうな想像がついちゃう私が嫌ですよ!


用心棒とか似合い過ぎ!


 
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