戦国サイダー
+++


「はっ……!?」



気づけば茶の間のテーブルに突っ伏していた。


時計は既に午後十時を回っている。



寝惚けた頭を叩きながら、一体何をしていたのか必死に記憶を手繰り寄せる。



夢……を見てた。


多分婚姻儀礼かなんかの。



あんまり細かくは覚えてないけれど、たぶんあの男性は虎だったと思う。




……昨日調べたことにどんだけ影響受けてんだ、私。




しびれた足をなんとか堪えつつ、からからの喉を潤す為に台所へ向かう。


ミネラルウォーターを飲みつつ、そういえば虎はちゃんと寝れてるだろうか、と思い出した。



冷蔵庫から予備にと冷やしておいた冷却シートを取り出して、隣の和室の襖をそっと開ける。


相変わらず寝てる虎に無防備に近づくことはやめてたんだけど、今回ばかりは致し方がない。


 
そーっと近寄る方が警戒されそうな気がして、普通に歩いて枕元に座ってみた。


 
< 326 / 495 >

この作品をシェア

pagetop