戦国サイダー
しかもなんかさっき何気に失礼なこと言ったよね?


私だって年頃の女の子だ。


思い出したら悔しくて悲しくて涙が出そうになる。



虎の顔がゆっくり近づいてくる、もう私が泣きそうとか関係ないんだろうな。


腕は勿論、足だって使えそうにない。


家には他に誰もいない。



じゃあ、やることはひとつだよね?



最大攻撃力でお見舞いしてやろうと、距離を測る。


こいつだったら避けそうだけど、間近ならかすりぐらいはするだろう。



距離三十センチぐらいのところで、反動をつけにくい分、思いっきり顎を上げて。



「誰がいいなりになるかっ!!」



その額めがけて、頭を突き出した。



鈍い音と、くらくらする感覚に襲われる。


思いの外、いやそれっぽいけど石頭だ、こいつ……



だけど狙いはばっちりで避けることも出来なかったらしく、虎もちょっとだけ顔を上げて痛みに耐えていた。


 
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