戦国サイダー
十九帖 珊瑚朱色
立てこもりを始めて一時間。
『だーかーらー、顔は出してないから大丈夫だって』
「じゃあ一体何を出したって言うのよ!」
起きて早々味わった屈辱の末に沸き上がった怒りの矛先は。
『何をってお前、何をそんなイライラしてるのさ』
電話の向こうの兄へと向けられていた。
勿論、かけたときにはまだ寝てましたけど。
散々コールして、起こしてやりましたけど。
「なんでもいいでしょ!?」
『……はいはい』
わかってますよ、八つ当たりだって。
『さっきも言ったけどね、ちょっと後ろ姿を撮っただけだから……上半身裸で』
そのぼそっと最後に付け足したのは何?
『だーかーらー、顔は出してないから大丈夫だって』
「じゃあ一体何を出したって言うのよ!」
起きて早々味わった屈辱の末に沸き上がった怒りの矛先は。
『何をってお前、何をそんなイライラしてるのさ』
電話の向こうの兄へと向けられていた。
勿論、かけたときにはまだ寝てましたけど。
散々コールして、起こしてやりましたけど。
「なんでもいいでしょ!?」
『……はいはい』
わかってますよ、八つ当たりだって。
『さっきも言ったけどね、ちょっと後ろ姿を撮っただけだから……上半身裸で』
そのぼそっと最後に付け足したのは何?