戦国サイダー
「だーっ! やっぱ無理!」



ちょっとぐらい食事を抜いたってどうってことない、と思い込みたかったけど。


やっぱりあの番の包丁を持つ虎が思い出されてしまって。



私は勢いよく部屋を飛び出した。



刃物にはそりゃあ慣れてるんだろうから、危険とかそういう問題ではない。


単にあの姿が恐怖だし、料理好きとして信じられないのだ。



階段を駆け降りる、もう後先考えずに。


ところが半分ぐらい降りたところで、階下に黒い塊が現れた。



「うわっ……!」



いきなりの出現に思わず驚きリズムを崩す。


あとちょっとで一階、というところで私は妙なバランスのまま階段を降りる……もとい落ちてゆく。


 
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