戦国サイダー
「こらこら、あんたたち。妬みは女の品位を下げるよ?」



そしてさらりと笑顔で言う綺は、そんなことを言ったって、きっと二学期が始まったら洗いざらい私を吐かすのだ。



我ながら恐ろしい奴らと仲が良いと思う。



「まあ……あのさ、一応兄の友人を預かってるようなものなので、今日はごめんだけど勘弁ということで……」


「え、じゃあなおさら一緒に楽しんだ方が良くない?」


「そうだよ! ほら色々さ、田舎を紹介してあげようよ」



お前らは!


兄の友人イコール都会人とかいう公式をいい加減捨ててくれ。


この人都会人どころか、もっと古い人ですから。



てか、さっきの綺の言葉は無視ですか!?



「あちゃー、思李、こいつら稀に見る美形に舞い上がってるね」



私の隣に立つ綺もさすがに溜め息。


紺地に白抜きの浴衣なんぞで腕組むから、かっこいい人になってますよ。


 
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