戦国サイダー
「美形って……確かに顔はいいけど……」


「ん? 顔、は? 何、なんか問題あるの? 顔が良けりゃ大概許せるっしょ?」



その豪気な性格も、私なんかより余程男らしい。


だけど『男だったら付き合いたい』と言われるのは、この私。


綺ははっきりし過ぎてて、多分外れるんだろう。


何せ『男の基準? 顔が良くてセックスが上手ければ、中身は二の次』とか教室のど真ん中で言える性格なのだ。



まあ、それでも実は健気に慕ってる幼馴染がいるんだけどね。


その言い分は単に無駄な男を引き寄せない為に言ってるだけ。



なーんて、何度か見たことあるその人はどうひっくり返したって『かっこいい』部類の人だったから、あながち嘘でもないんだろうけれど。



「もうどうしたらいいんだろ……」


「んー、あたしとしてはふたりっきりにしてあげたいんだけどねぇ……おや?」



一の情報で勝手に十悟る女、綺が何をどう考えてるのかはわからないけれど、溜め息のあとににやりと口の端が上がったのがわかった。


 
< 370 / 495 >

この作品をシェア

pagetop