戦国サイダー
「えー……」


「そりゃ、断然……」



ふたりもある意味自分に正直らしく、答えは決まっているようだった。


それでもまだ立ち位置動いてないんですけれど。



何も言わない虎だけど、雰囲気で由惟さんを睨んでるのがわかる。


そういえばこのふたりって、どうなんだろう?


同じ部屋で寝てたことを思い出すものの、特に何も聞かなかったせいか、関係が掴めない。



でもやっぱり虎は良く思ってないことだけは、なんとなくわかった。



「ああ、もうほら、行こうよ! 他の女に取られたらどうするー」



びしっと言い放った綺にふたりも頷いた様子。


にいっと笑顔を見せてくれた綺にありがとう、と言おうと思ったら由惟さんが何か近くで伝えているのが見えた。


綺は頷いて聞いている。


そのあと由惟さんは私と見てなんだか優しい顔をして、虎の視線から逃げるように佳菜美と茉莉の方へと移動していった。


 
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