戦国サイダー
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辿り着くと、確かに神社は人がほとんどいなかった。


神輿の片づけやら、役員らの人が頻繁に出入りするせいか、一般の人はあまり来ないらしい。


まだ花火までには時間があったので、途中私はどうしても虎にやらせてみたかったあることを実践してきた。



金魚すくい。



理由はふたつあって。


ひとつはこの戦国武将である、人の気配とかに鋭い虎なら、なんなくこなせるんではないだろうか、という期待。


もうひとつは、あっさり網が破れて悔しがる虎が見れるんではないか、という期待。



で、その結果が私の左手に。


金魚三匹。



これは決して三匹しかすくえなかったわけではなく。



単に店の決まりで持ち帰れる上限が三匹だけのこと。


不況ってこんなところにまで反映されるんだから、いやだ。


 
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