戦国サイダー
ちなみに私もそこまで不得意ではなく、説明する為に見本で一匹すくってみた。


だけど、それを見た虎は「ああ」とだけ頷いて。



あの薄っぺらい網で、何も戸惑うことなくいきなり金魚を二匹同時にすくいあげた。


その後も、驚いた私と困った顔のテキ屋のお兄さんが面白かったのか。



網が破れるまで計三十七匹、赤も黒もデメキンも大きいのも、手当たり次第にすくっていた。



恐るべし、戦国武将。



まあさすがに三十七匹も金魚をもらっても困ったし、三匹で充分ですが。


金魚すくいの出店に人の山が出来たのは言うまでもない。



ただでさえ目立つ人が、余計に目立ってしまった。


ヨーヨーすくいじゃなくて良かった、子どもに大人気になりそうだ。




で、関心する人たちの間をなんてことなく抜けて、途中たこ焼きとサイダーを購入して神社までやって来た。


 
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