戦国サイダー
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全身の気だるさと、朝とはいえ夏の暑さに目を覚ますと。



自分のベッドのはずなのに、目の前に虎の肩があった。



そこで昨日と言うよりも昨夜を思い出し、一気に血が沸騰する。



……前に。



まだ瞼を閉じたままの虎を見て、先日の朝の出来事を思い出した。



我ながら、ムードの欠片も何もないと思う。



だけど、セックスの後に必ずしも甘くてロマンチックな朝がくるとは限らない。


だって互いに全裸で、あの朝虎が来たら恐ろしいとかいうレベルじゃない。



どうするべきか、先にベッドから逃げ出して、お風呂にでも行って頃合いを見計ろうか、と焦りながら思っていた矢先。



虎の方から、溜め息が聞こえた。


 
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