戦国サイダー
「え、ちょっと待って……まさか、全裸で外に出たりして……ないよね?」



先日の言葉を思い出す。



『気がついたら庭にいる』



昨夜衣服を身につけた虎を見てはいない。


今既に下だけ履いている。


昨日着ていたのは甚平ではなく、床に広がっている浴衣。



「……ああ」



今の間は何!?


お……おおい、虎さんよまさか全裸で竹刀振り回してたとかそんな奇行というか寧ろ変態的な行為に及んでいませんよね!?


その甚平、茶の間に畳んで置いてたんですけど!?



「あ、あの……虎っ?」



タオルケットを身体に巻きつけて、ベッドの上でわなわな震える私に虎が渋い顔で溜め息を零した。


そして振り返って、私の額に唇をつける。


 
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