戦国サイダー
何もかも高望みし過ぎ、そんな都合のいいこと、映画や小説の中の話。


現実に周りにいる男なんて、みんな考えることが一緒で、みんな流行に追われてて。


たまに、この人なんか違うかも、って思ったって、着地点は結局一緒。



じゃあ私がなんか努力をしてるのかっていうと、そんなこともない。



「いい男落ちてないかなぁ……」



なんて呟きながら、だらだらと高校生活最後の夏を過ごしていた。



今日もひとり図書館へ出かけて、受験勉強そっちのけでのんびり読書。


そしてその帰り道、燃えるような太陽を追いかけていたら突然の夕立ち。



本当、ついてない。



仕方なしに一番近かった神社へと駆け込む。


緑の林を抜けて、土の道を蹴って、古びて茜色になった鳥居を一気に抜ける。



もうほとんど人の来ないような、寂れた鳥船神社。



屋根に止まっていた雀が飛び立った。


 
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