戦国サイダー
 


サイダーみたいな恋なんてない、私はそう言った。



しゅわっとはじけて、刺激的で。



しゅわっとはじけて、どこか儚くて。



夏が似合う、淡い恋。



そんな都合が良くて、おとぎばなしみたいな高望みな恋。





本当、そんなのなかったよ。


 
現実は、映画や小説みたいにうまくいかない。



しゅわっとはじけて、刺激的で、儚くて、夏が似合って。



だけどそれはサイダーの炭酸みたいにいつか消えてしまう。



ひとつの気泡が底から浮かび、上を目指し。



辿り着いて、なくなってしまう。


 
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