戦国サイダー
「あのさ、あとで散策に行かない?」



ちょっとしょっぱいお茶漬けを食べながら、提案してみる。



「散策?」


「うん、自転車に乗って」


「じ……てんしゃ、とはあれか」



話が変わったから平気になっちゃったのか、デフォルト顔の虎が箸を止める。



実は虎、一番興味を持ったのはカメラでも、テレビでもなく。



自転車。


って言ってもママチャリだけど、私の。



馬でも駕籠でもない、そして車とも違うこの乗り物が不思議みたいで、乗ってみようと頑張ってた時期がある。


尤も、乗れなかったんだけど。


あっさり乗れちゃうんだろうなぁ、とか思ってたから意外というか拍子抜けした記憶がある。


 
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