戦国サイダー
「だが、あれは」


「あ、大丈夫、私がこぐから。虎は後ろで」



あなたみたいに大きい人乗せて平気かどうかは謎ですが。


というか本当なら私が後ろの方がいいですが。



無理だろうなぁ、と思いつつお茶漬けをかき込んでいると、虎の不機嫌度が上がったのが空気でわかった。



「後ろ、とは」


「あ……えーと……馬で言えば手綱を持つのが私で、虎が……乗せられてる方?」



時代劇とかにありそうなシーンを思い浮かべて言ったものの。



どうやら虎の何かに触れたらしい。


いつの間にか食べ終えていたお茶漬けのお椀を置いて、腕を組み、若干顎が上がっている。



「断る」


「はっ!?」


「女子(おなご)のお前に何故手綱を持たせねばならぬのだ」


 
っ……どんだけプライドが高いんだ!?


乗れないから私が代わりにこぐだけでしょうが!


 
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