戦国サイダー
驚愕の事実に襲われた妹を無視ですよ、紙袋をテーブルの上に置いて、鬼虎に普通に話しかけてますよ。


で、何、鬼虎も素直に立つわけ?



「じゃ、頼んだ、妹」



わけわかんない。



呆然と立ち尽くす私の横を鬼虎は刀を持って通り抜け……って、あれ、なんで立ち止まる?



「本当に人間か否かこれでわかるな。あれなら素手でも勝てるだろう」



それ、わざわざ私の耳に囁いていく台詞ですか。


しかも顔見れば、既に勝ち誇ったような顔してるし。


それがいくら綺麗で艶っぽい表情だって、私は騙されないんだから!



第一、あんたまだ疑ってたのか!



……会ってからまだ数時間ですが、もう疲れました、私。



長い息を吐いてテーブルに目をやると、中身を失った湯呑と小皿が、丁寧にお盆の上に乗せられていた。


 
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