戦国サイダー
+++


今から白米を炊いていては間に合わないだろうと、冷凍してあったご飯を解凍しておいた。


冷蔵庫の中のもので、ほうれん草のおひたしと冷奴、味噌汁を用意しておく。


いや、だってね。



あの能天気兄貴が買ってきたものは、全部中華なんですもの。


そりゃ確かに私は二羽亭の中華は好きだけど、海老チリも炒飯も酢豚も大好物だけど。



……鬼虎が食べるとは思えない。



でもある意味いいチョイスというかチャンス? これで鬼虎が違和感なく中華を食べたら、あいつは戦国武将じゃないって……


言い切れるのかな……料理の歴史なんて私知らない……中国とは確か貿易あったんじゃなかったっけ、それに鎖国ってもっと後だし、水戸黄門はラーメン食べたことがあるって聞いたような。



「あれ、味噌汁? オレわかめスープの方が良かったなぁ」


「考えてもわかんないや……って……あ、生きて帰ってきた」



おたまを持ったまま首を捻ってたら後ろからひょいっと兄の頭が登場。


いかにも風呂上がり、濡れた頭に首からタオル、でもシャンプーの香りは温めなおした中華に負けてる。


 
< 51 / 495 >

この作品をシェア

pagetop