戦国サイダー
「何だよ、生きて帰ってきた、って」


「いや、だってあの人うちらが人間かどうかすんごい疑ってたから」


「ふうん。あ、そっか、愛しの彼の為に作ってるのね」



はい? 何ですって?


というか私の話なんて聞こうともせず冷蔵庫開けて牛乳……ちょっと、飲むんなら扉閉めて下さいよ。



言うよりやった方が早い、と二歩進んで冷蔵庫の扉を閉める、とようやく兄が私の方を見た。



「あのね、おにい……」


「やっぱさ、本物かもよ?」


「は? 何、いきなり」



直接口をつけて飲んだ牛乳パックの口をぱたんと閉めて、兄が少し眉を寄せる。



「だってさ……」



もったいぶらなくて結構です、さっさと話して下さい。


 
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