戦国サイダー
「やっぱり褌だった」


「……あ、そう。ってそんなことどうでもいいわ! 何の報告してんのよ!?」



真面目な顔してふざけるな! と追加のツッコミを込めて、おでこをべしっと叩いたら、結構いい音が台所に響いた。


最近、ツッコミの手の入れ方が上手くなったような気がしてならない。



「いや、だって知りたいかなーって。ついでに中身もそりゃそんじょそこらの男なんて敵わないほどりっ……」



もう一度ツッコミ、どうでもいい、本当にその情報は。


あの綺麗な顔で褌って微妙な気分になるじゃない、想像するとなんかちょっとあれだし。


いやいや、想像なんてしてません、もししたんなら、それは一瞬の気の迷いです。



「もう、お前最近兄ちゃんに冷たいぞ? 昔は素直で従順で可愛い可愛い妹だったのに」



で、しれっと嘘をつくな、貴方に溺愛された記憶はございません。


ぎろりと睨んでやったら、兄はやれやれと肩をすくめながら冷蔵庫に牛乳を閉まった。


 
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