戦国サイダー
今までどんな嫌な男に捕まろうが、情けない男に付きまとわれようが、自分で全部なんとかしてきたじゃないか。
そして過去は過去! 鬼虎なんかにキスされたからってなんだ!!
全裸でガッツポーズは、きっと傍から見たら滑稽だろうけど、ここはお風呂場、他に誰もいない。
「うし!」と気合を入れなおし、私は脱衣所へと扉を開けた。
諸々を終えて隣の台所へと直行すると、茶の間に二人の姿は見えなかった。
まだ夜九時、鬼虎はどうかはわからないけれど、兄はまだまだ寝る時間帯ではない。
どこだろう、と茶の間に入ってようやく縁側に二人の背中を発見する。
「虎さ、無理すんなよ?」
無理、ってなんの話?
その兄の声が、なんだか踏み込んじゃいけないような気がして、私は茶の間の端で足を止めた。
「何がだ」
答える鬼虎の声は特に変わりはない、低い、頭の中で響くようなよく通った声。
そして過去は過去! 鬼虎なんかにキスされたからってなんだ!!
全裸でガッツポーズは、きっと傍から見たら滑稽だろうけど、ここはお風呂場、他に誰もいない。
「うし!」と気合を入れなおし、私は脱衣所へと扉を開けた。
諸々を終えて隣の台所へと直行すると、茶の間に二人の姿は見えなかった。
まだ夜九時、鬼虎はどうかはわからないけれど、兄はまだまだ寝る時間帯ではない。
どこだろう、と茶の間に入ってようやく縁側に二人の背中を発見する。
「虎さ、無理すんなよ?」
無理、ってなんの話?
その兄の声が、なんだか踏み込んじゃいけないような気がして、私は茶の間の端で足を止めた。
「何がだ」
答える鬼虎の声は特に変わりはない、低い、頭の中で響くようなよく通った声。