戦国サイダー
「お、起きましたから……出て行ってもらえます?」



ジーンズにさすがに帯刀は無理なのはわかっているご様子。


鞘に納めた日本刀を持ったままの継虎が私をその眼光鋭いお顔で見てくる。



「きっ、着替えたいんですけど!」



ちょっと強気で言えたぞ、私。


若い女の部屋に無断で入ってきたこと自体がマナー違反、これぐらい当然。



だと思ったら鬼虎は眉一つ動かさず「ああ」と声とも取れないような音を発し。



「貴様の裸になど、微塵の興味もわかぬ」



と大変素敵な台詞をお吐きになって、部屋のドアへと歩き出す。



さすがに。


さすがに。



「じゃあ昨夜はなんのつもりだったのよっ!!」



我慢出来ずにベッドから飛び出し。



華麗に前蹴りをお見舞いしてやろうかと思ったら――


 
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