虹のかなた〜Second Love〜(実話)


『あらあら麗奈ちゃん!よく来たわね!!会いたかったのよ!さぁ上がって』


卓也の家に着くとお母さんが今か今かと玄関で待っていてくれた


ちょっと白髪の増えたお母さんは相変わらず優しい笑顔だった





命日のお墓参りは欠かさず行っていたけど家に行くのはずっと避けていた


卓也との想い出が沢山詰まったこの家に来れば、また卓也から抜け出せなくなるような気がしたから…



『今日は麗奈ちゃんの大好物を沢山作ったからね』


あたしは仏壇の卓也に手を合わせ、リビングでのあたしの位置に座った



久しぶりのリビングはあたしがこの家の娘かのように卓也との写真や親友の里沙(リサ)の結婚式の時の写真が沢山飾られていた


『お母さん手伝いますよ』


『あら…じゃあ箸を並べてもらおうかしらね』




この家で同棲していた頃も、よくこうやってお母さんと台所で晩御飯の支度した


たまにリビングから卓也がそんな姿を笑いながら見ていた


『ホントの親子みたいだな』


なんて言ってた…








あたしはこの家全てのものに卓也とのエピソードが浮かんだ










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