虹のかなた〜Second Love〜(実話)
『あら…そうなの…せっかく麗奈ちゃんが来てくれてるのに…』
お母さんが電話越しに悲しい表情をしていた
『お父さん仕事で、どうしても遅くなるって!ごめんなさいね!雅也が帰って来たらご飯にしましょう』
『親父も頑張るよなぁ』
あたしの隣で煙草を吹かしながら智也兄さんが言った
『あっ!麗奈ちゃん着替えなよ!ゆっくり寛げないだろ!俺のでよかったらこれを着な!洗濯したばかりだし』
優しい智也兄さんは、あたしにグレーのスエットを渡した
『あら〜お母さんの花柄のパジャマ用意してたのに!智也のでいいの?』
『ばーか!そんな婆くさいパジャマなんか着せるなよ!』
『あたしはどっちでも構わないです』
あたしは優しい二人の会話に挟まれて、幸せを感じた
そして心から避けてきたことを後悔した
もっと早く卓也から抜け出せてたかもしれなかったのに