虹のかなた〜Second Love〜(実話)
『さぁ!食べましょう』
テーブルには食べきらないほどの料理が並べられた
『こんなに誰が食うんだよ!!ここは相撲部屋じゃねぇぞ!』
智也兄さんの冗談を言ったその時だった
『ただいま』
玄関からあの低い声がした
『親父だ!遅くなるんじゃなかったのかよ』
慌ててお母さんが玄関に行くとお父さんが大きな荷物を持って帰ってきた
『お邪魔してます』
『いらっしゃい!麗奈ちゃんにプレゼントだよ!仕事より麗奈ちゃんが大事だから帰って来たのさ』
お父さんは大きな紙袋を照れくさそうに、あたしに渡した
『開けてもいいですか?』
家族みんなが袋の中身に注目した
『可愛い!!!!!』
あたしは思わず叫んでしまった
袋の中身は、あたしの大好きなキャラクターの大きな縫いぐるみだった
『お父さんありがとうございます!!』
『あぁ、いいんだよ!卓也が玩具屋を通るたびにあれ買ってやったら麗奈が大喜びするだろうなって言ってたの思い出してな』
確かに信号待ちの度にショーウインドーから見える縫いぐるみを見ては騒いでた
”ガキじゃねぇんだから”っていつも卓也はあたしをバカにしてたくせに…
『てか…親父、その厳つい顔で玩具屋にいたのかよ!しかも、そんなにデッカイやつ持って…想像しただけで笑えるな』
『そうか?可愛い娘のためだからな!!』
『雅也も早かったな!珍しいじゃないか!』
『あぁ…たまたま早く終わっただけだよ』
『ったく!素直じゃないねぇ!麗奈ちゃんが来てるからって言えよ』
智也兄さんのツッコミに家族みんなが笑った
ホントに、この家族は、あったかい…
他人のあたしに、こんなにも優しくしてくれて…
卓也
またこの家族の一員になりたいよ
ダメかな??