虹のかなた〜Second Love〜(実話)
〜第五章〜 二つの思い
『ねぇ知ってた??あの最近来てる背の高い作業員、主任の別れた旦那さんなんだって!!』
『マジ?!主任の好きだった人の会社にその旦那さん入ったの??複雑よね〜』
休憩室からスタッフ達の話し声が聞こえた
『姉貴!あいつら何なんすっか?マジうぜぇ!口ばっか動かしてないで仕事しろ!』
優菜が舌打ちをしながらスタッフらのいる休憩室を睨み付けた
『はぁ〜!!噂好きだからね…まぁ事実だし!別にいいんじゃない!仕事中にそんな無駄話していたら後ろから蹴飛ばすけどね(笑)』
『姉貴笑い事じゃないって!!正樹さんとは会っても平気?』
『平気な訳ないよ…仕事中、正樹からずっと見られてる感じすんだ…さっきも、こっち見てVサインしてたでしょ…正直…会いたくなかった』
『正樹さん今だに姉貴が好きなんじゃねぇの?ヤバイよね』
優菜は遠くから見える正樹の姿をチラ見しながら頭を抱えた
作業の近くを通るたびに正樹はあたしにあの優しい笑顔を向けた
その笑顔を見るたびに正樹を苦しめた罪悪感でいっぱいになり、あの初めて正樹に怒鳴られた時の場面が蘇ってくる
そして
”卓也みたいになりたかった”
と…言った言葉が何度も頭の中でリピートされた