虹のかなた〜Second Love〜(実話)
あたしは卓也の月命日だと知り、早々と仕事を終わらせ病院を出た
『麗奈!!』
車に乗ろうとした時、誰かがあたしの名前を呼んだ
『正樹……』
ニッカポッカ姿の正樹があたしを待っていた
『今帰りか?やっぱり主任ともなると定時じゃ帰れないんだな』
そう言いながらポンと缶コーヒーを投げた
『あ…ありがと…正樹は帰らないの??もしかして、ずっと待ってたとか?』
『ん…あぁ…お前にどうしてめ伝えたいことがあってな…時間あるか??』
『あっ…今日はちょっと無理…』
どうしてすぐに”卓也の命日だから”って言えなかったんだろう
正樹に気を使う自分がいた
『そっか…じゃあ仕方ねぇな』
そう言った瞬間、正樹は、あたしを力強く後ろから抱きしめた
『ちょ…ちょっと正樹…や…やめて…』
筋肉質の正樹の力にあたしが敵うわけがなかった