虹のかなた〜Second Love〜(実話)


『お…お願い離して!!』


あたしの抵抗も虚しく正樹は更に強く抱きしめた



『麗奈…俺…お前を忘れる事なんか出来んわ…お前の笑顔がずっと俺ん中にいるんだよ!麗奈が卓也さんを忘れられないように俺もお前が愛おしいんだ!』


あたしは耳を疑った


だって


あたしは正樹にとって

最低な女

最低な妻

だった……



なのにどうして……?





『何言ってんのよ!!あたし達はもう終わったんだよ!!それに…あたしは…』


正樹が力を弱めた瞬間、腕の中から抜け出した


『お前…まさかまだアイツのこと好きなのか』


『…………。』




あたしは言い返せなかった



卓也ではなく他の誰かが好きだということを…



『正樹…ごめん…今日卓也の命日なの。あたし行かなきゃ』



それだけを言い残し、あたしは車に乗り込み、アクセルを全開に踏んだ







バックミラーから見える正樹は涙でぼやけてはっきり見えなかったけどずっとずっとあたしを見ていた






正樹…


どうして、あたしなの…

貴方を裏切ったんだよ…




気が付いたら夢中でアクセルを踏んでいた



他の誰かに逢うために……











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