虹のかなた〜Second Love〜(実話)
泣き疲れたのか、あたしはいつの間にか眠っていた
携帯の時計は午前1時を過ぎていた
ベッドから起き上がろうとしたとき生暖かい感触が足元から伝わった
『た…くや…』
あたしは何度も何度も目をこすって見たけど確かに卓也に見えた
『風邪ひくぞ』
そう言って、あたしの体を抱きよせた
『アイツと付き合うのか…?』
優しく髪を撫でながら卓也は言った
『えっ……』
『卓也の兄貴じゃ無理だよな』
この瞬間、卓也じゃないことに気付いた
『智兄……』
『ったく卓也な訳ねぇだろ!麗奈ちゃんの頭の中は卓也しかねぇんだな…卓也が羨ましいよ』
『ごめんなさい』
この時、あたしは智兄の腕の中から離れようとはしなかった
むしろ…あたしの方が智兄に抱き着いていたかもしれない